先日知人が「母が低ナトリウム血症で倒れて大変だった」と訪ねてきました。
お母様というのが80歳を超える方なので、お母様のためを思い、
塩分を控えた食事を作ってあげていたそうです。
どうも、それがいけなかったようで、ふらついたりしながら、ついには
意識を失って倒れられたそうです。
マクロビオティックでも、塩分を取らないようにと極端に薄い味付けするように言われる先生もあります。
私もそれが正しいものと思って何でも薄い味付けにしている時期がありました。
いろいろな先生のお料理を食べるようになって、自分の身体がおいしいと感じる味付けであればいいんだと思うようになりました。
「マクロビオティック食事法(久司道夫・アヴェリーヌ偕子共著)」には、たとえばスープの味付けについて、
「味噌、また醤油による味付けは、薄すぎても濃すぎてもだめで、口当たりの良いものでなければならない」と記されています。
また、海藻の料理の味付けについては、
「ふつう、適度な量の醤油、海塩、あるいは玄米酢で味付けする」と書いてあります。
そう! 習う先生の味付けではなく、自分にあった味付けができる人になることもマクロビオティックの料理を習う目的の一つなんですよね。
住んでいる場所の標高によっても、暑いか寒いかなどなど環境によって味の濃さは違ってくるはずです。
「あまり薄い味付けばかりしていたら倒れてしまうよ」とおっしゃったマクロビオティックの先生がいらっしゃいましたが、知人のお母様の話を聞いて
納得してしまいました。
低ナトリウム血症については、いろいろな情報がありますが、お医者様に直行するのが一番のようです。
早い手当てが大切ですよね。
いつか、マドンナのプライベートシェフだった西邨 まゆみさんの「小さなキッチンの大きな宇宙」の本の後半にあったレシピで
豆腐のナゲットのあまから煮を作ったことがありましたが、味が濃くて驚きました。
レシピが間違っていたのか、マドンナのように体力を消耗する人にはそれぐらいの味でなければならないのか知りたいものです。
自然に近い塩、自然発酵させた醤油、味噌で味付けするのが一番いいでしょうね。
自分の身体が快調である状態を保てる食事をしていくことが大切であって、
この料理法でなければならない、この材料でなければならないではしんどくて続かないように思います。
幼い頃、父がいつも野菜を食べるのではなく、野菜の精気をいただく、
魚の精気をいただくと言っていました。
いつまでも冷蔵庫に仕舞い込んだ野菜を食べるのではなく、朝、畑から取ってきたものを精気ごといただく・・・・そんな実践をしながら育ててくれました。
朝露の中で取れた野菜はどれでも瑞々しく、活き活きとしていて、たとえば、きゅうりやトマトなどはそのまま丸かじりが一番おいしかったものです。
落花生も土の中でできることを知ったり、たらの芽を摘みに連れていってもらって初めて木にトゲがあって取るのが大変なことが分かったりと、自然に直接ふれながら、その野菜や食材の旬を見極めることができるようにもなりました。
朝露を踏むというのは、ほんとうに清々しくて、元気がもらえます。
病気の人も元気になりそうなほどのエネルギーがある感じです。
何でも、固執したり執着したり、やりすぎたり、いきすぎたりしないよう、ちょうどいい加減を見つけながら、穏やかな気持ちで生きていけたら幸せかな・・・・と思います。
味付けも自分にあったちょうどいい加減を見つけて、質素に感謝しながらいただくようにしたいものです。
「マクロビオティック食事法」の英語版。
「マクロビオティック食事法」の日本語訳版。
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