「マクロビオティック女性講師によるリレーセミナー」が開催されます。

今年の10月、クシマクロビオティックの権威、久司道夫氏とともに世界平和を願い、恩師桜沢如一先生の命でアメリカで50年かけてマクロビオティックを広められたアヴェリーヌ偕子夫人の功績を顕彰する碑が建立されることになっております。
それに先んじて、現在募金活動も行っておりますが、その一環として、
偕子夫人を知っていただくために、現在、クシマクロビオティックで
中心となってご活躍の6名の先生たちが「マクロビオティック女性講師によるリレーセミナー」を開催してくださいます。

■講師(敬称略・五十音順)
天野朋子・大久保地和子・奥津典子・中島デコ・中美恵・花田美奈子
■ゲスト講師(敬称略・五十音順)
中 広行(マクロビクッキングスクール)
パトリシオ・ガルシア・デ・パレデス(KIJエデュケーションディレクター)

素敵な先生たちのお話が間近で聞ける機会です。
どうぞ、たくさんの方にお集まりいただきたいものです。

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戦後間もない混乱の時に、アメリカに渡り、久司道夫氏とともにマクロビオティックを広められた偕子夫人の自叙伝を読むと、ほんとうにその生き方は今の時代では想像だにできない凄さを感じます。
「クシマクロビオティックをここまで広めた功績の7、8割は彼女によるものです」と久司先生はおっしゃっています。
アメリカでのご苦労は大変なものだったそうです。
あるときは、ヒッピーが300人もいたとか・・・。
その方たちからお金をとることもなく、養ってマクロビオティックを教えていらっしゃったんですね。
そしてその彼らが世界中にクシマクロビオティックを広めていったのです。
アメリカでの生活は、とても質素だったそうです。
「ボストンのお家に行くと、何もない、ほんとうに質素ですよ」とそれが
素晴しいとお話くださる方がいらっしゃいました。
桜沢先生から多くを学ばれ、久司先生とともに自分の事は二の次に活躍された偕子夫人。
自叙伝を読むと、その生き方にほんとうに感動します。
ご兄弟から、色々偕子夫人の人となりをお聞きする機会が多いのですが、
生まれの干支が猪で何事にも前向きというより、真っ直ぐに進んでいく方だったそうです。
マクロビオティックの基礎を桜沢先生からしっかりと学ばれ、アメリカで
久司先生と結婚し、マクロビオティックをアメリカから世界に広められました。
桜沢先生と同じく結核を、桜沢先生の指導の下、桜沢先生主宰の「ラ・メイゾン・イグノラムス(大馬鹿者の家)」で治されました。
「ラ・メイゾン・イグノラムス(大馬鹿者の家)」は、自叙伝によると、とてもおもしろそうな寮というか塾というか、そのようなものだったようです。
偕子夫人をそこに導いたのは、同郷の淀野光子さん。彼女もまた桜沢先生の命によるものでしょうかブラジルでお亡くなりになっています。
横田の町を白馬にまたがり闊歩し、藤が瀬の城跡の馬場で乗馬の練習をしていらっしゃったそうです。
今年95歳になる私の伯父は、テニスのお相手をいつもさせられて、
それはそれはお強かったとか。
陰陽テニス大会で常に優勝されていたそうです。伯父より3歳お姉さまということなので、お元気なら98歳ですか。
アヴェリーヌというのは、PUネーム(P=プリンシプル、U=ユニーク)として桜沢先生がお付けになりました。
淀野光子さんのPUネームは、ユーラーでした。
偕子夫人がアメリカの行かれたときに桜沢先生が書かれた詩があります。

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君は一粒のタネ

アヴェリーヌを送りてMIの子らへ(1951年7月)

君らは皆、小さい不思議なタネだ!
いつか、君らは大きな木になるタネだ。
天を覆って涼しい影をつくり
ゆきくれた旅人を休ませ、新しい力をつけて又、
たくさんの子供を上らせて、あそばせたり、
朝は、まだきから、夕方は夕方で
にがやかな小鳥のオーケストラの段々、舞台となり、
年々、方々花を咲かせて、
千、万の人々をよろこばせ、
冬の夜は星をキラキラ枝にひからせ
秋はもみじの、にしきをかざり
金の葉で地上をつつみ・・・・、
遠い野を行く人に方向を示す。
大きな木になるタネだ。
タネは長い長い冬の間
零下何度かの冷たさに
はげしいハンマリングを絶えまなくうけ、
凍らされ、
重い凍った大地の重さでおしつけられ、
ただジイーッとたえていれば、
やがて春が来て、芽が出るのだ。
タネよ、君が芽をださないのなら、
タネよ、君が風にもめげず、雪にもおれず、強くたくましい、
天に届く大木にならないのなら
君が百年、千年グングンのびてやまず、
たくましい枝を空いっぱいに、ふりまわすたいぼくにならないなら、
まだ冷たさと、重さのはげしい、ハンマリングが足りないのだ!
トッテンカン、トッテンカン・・・
力強い、きびしい、規則正しい、寒さと暑さの、天地陰陽の
秩序の鍛冶屋のハンマー。
タネよ、タネよ、大木になる木のタネよ。
小さい、小さい宝石のタネよ、
君達は魔法のタネ、
ダイヤやエメラルドよりも不思議な、魔法のタネよ!
目を出せ、芽を出せ、早く出せ、
トッテンカン、トッテンカン、トッテンカン!
葉を出せ、手を出せ、腕を出せ!
空は青空で、はてもかぎりもない。
タネよ! タネよ! 魔法のタネよ!
君達は不思議なことに、百千万倍大きな木になったり、
数千年にもわたって美しくしげったり、
小さな、イジワルな低い潅木になったり、
いづれとも、みな君の思いのままなんだ!
大きな木になろうと思えば
大きなハンマリングを、
小さな木になろうと思えば、
小さなハンマリングを、
だまって、じっとうけるだけでいい!
大きなハンマリングを逃げたら、
小さなかよわい木にしかならない!
君たち人間のタネは足をもっている。
君たちは逃げ廻ることもできるし、
大きな、ハンマリングの下に飛びこむこともできる。
ああ足をもつタネよ!
タネよ、タネよ、魔法のタネよ!
目を出せ、芽を出せ、早く出せ!
歯を出せ、手を出せ、頭を出せ!

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桜沢先生の大きさがわかるようです。
たくさんのタネが今は世界中に広がっています。
最近、古くからの親しい友人に「クシマクロビオティックって商業主義じゃない」と言われました。
桜沢先生も偕子夫人も、貧しい中でも人に自分の知識を無償で分け与えていらっしゃる姿が自叙伝には書かれています。
支援する方たちの影の力は大きいでしょうが、そのような活動方法だから、
沢山の支援もまたあったのでしょう。
確かに資格商法になりつつあるような今のマクロビオティック・・・。
お料理もドンドンおしゃれさを求めて、どこまでいくのだろうと思うときがあります。
桜沢先生やアヴェリーヌ偕子夫人がご健在なら、どのようにおっしゃるのでしょうか。
質素で心豊かなもっと気高い生き方、食事ができたらいいなと・・・・
私は、そんなすべてをはぎ落としたシンプルライフなマクロビオティック
な生き方ができたらと思っています。

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