山菜の田舎料理・・・
奥出雲の家に帰るため、松江から奥出雲に向かう中、車窓から満開の桜や花桃、水仙などきれいな春の花々を楽しみました。
標高の高い奥出雲に近づくにしたがい、花々の変化は季節に逆行していきます。
それが、おもしろくて、春を2回愉しめるワクワク感はたまりません。
奥出雲の家の庭に降り立つと、梅の花の甘い香りが庭に充満しているようでした。
今年の奥出雲は、いつまでも寒く、4月に入っても梅が満開状態で長くきれいな花を香りと一緒に楽しめました。
この梅の花が、6月に入ると実がとなり、その実を梅干しにすることができます。
何も手を加えない自然そのままに育つ梅の実は、田舎人たちの健康維持の一助となってくれます。
そんな田舎の春の楽しみの一つが、山菜。
庭や畑、田んぼと見回ると、そこかしこに山菜があり、宝庫です。
野カンゾウ
セリ
よもぎ
摘んで帰ったこれらは、夕食の一品になります。
左から・・・
野カンゾウのぬた、つくしのおひたし。セリのおひたし。
他にも、よもぎ、ふきのとう、ゆきのした・・・・奥出雲町の特産の舞茸、エリンギなどと一緒に天ぷらにしました。
この時期の山菜の出現は、人間にとって自然に理にかなったものとなっています。
山菜の苦味には、冬に身体に溜め込んだ脂や老廃物などを排泄してくれる働きがあります。
人によっては排泄力が強すぎて、ふきのとうの天ぷらやふきんと味噌(ふきのとうで作った味噌)などで、すぐお腹を下す人もいます。
食べ過ぎに気をつけることも大切です。
少しずつ戴きながら、冬に身体に溜め込んだ不要物を排泄していきましょう。
よもぎは、春のやわらかい一番芽が一番あくも少なく貴重なものです。
この時期に一年分摘んで湯でて冷凍しておくと、お餅やケーキなどのお菓子に一年中利用できます。
よもぎ、梅、山椒の葉や実のなどの収穫時期は、大正生まれの姑から教わりました。
よもぎは、遅くとも4月のうちに摘むこと。
山椒の実は、6月6日までに摘むこと。
他にも、野菜の植え時期や収穫時期などなど・・・
姑からは、聞いて教わることの他、何気なく見ることで学ぶことも沢山ありました。
同じような年代だった母からもいちいち教わったことがなくても、母がやっていたことを思い出しながら自分でやってみることも多くあります。
わたしたちの幼い頃は、子供たちは勉強より親のお手伝いが大事でしたから、見て学べたのかもしれません。
布団作りのときのちょっとしたアシスタント、
農作業のお手伝いなどなど・・・
今にして思えば、貴重な体験を数多くさせてもらえたことから、どれだけ多くの知恵を授かったことでしょう。
そのお蔭でたくましさも備わったのかも知れません。
自然に育まれた山菜、それを戴くことで自然のエネルギーや強さも一緒に身体に取り入れられるような気さえします。
毒草との区別は必要ですが、ハウス栽培された山菜でなく、自然そのものに育まれた山菜を食べて欲しいものです。
人の身体は、食べた物でできています。
そして、食べた物からできていきます。
健康な身体ができれば、健康な心が育ちます。
自然の理にかなった食事を心がけるだけで、人間の身体は健康になっていきます。
春の山菜は、そんな気づきを思い出させてくれました。
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