山椒のすりこぎ棒

奥出雲町より

元氣がでます・・・山椒のすりこぎ棒

★地元産の山椒の木で作りました★ 元気なすりこぎ棒」を作ってくださっている方のお宅を訪れました。

数が少ないので、すぐに完売します。

わたしも使用していますが、とても使い安く、やさしい気持ちで
食材をすることができます。

作り手の思いが伝わるのでしょうか。

いい物を手に入れたという満足感があります。

すりこ木棒の材料になる裏山の山椒の木です。

それを8月頃に剪定します。

剪定した木を十分に乾燥させてから作ります。

8月を過ぎると、山椒の木の皮がむけてしまうそうです。

そうなる前に切って乾燥させることが、まず第一とか。

前回販売のものは、2年間乾燥させた木で作ってくださったものでした。

今は、製品になってしまえば、どこの国のどんな環境の材料かさえわからない時代です。

この材料は、正真正銘、作り手の裏山のものです。

この木以外にも山椒の木がたくさんありました。

連れて行っていただいた、その裏山は、手入れが行き届き、きれいに整備され、環境もいい形で保持されていました。

取り残しのふきのとうが一輪、その回りには野カンゾウがいっぱい芽をだしていました。

「この野カンゾウおいしいんですよね」と言うと、

「このニンニクですか。広がってしまってように困っちょうますが」

と出雲弁で答えてくださいます。

私が味噌和えで食べていることをお話すると、

「そういや、昔ばあさんが味噌汁にねぎの代わりに入れちょうましたわ。味噌和えも食べたことがありますわ」

と、またまた純粋な出雲弁で答えてくださいました。

やはり、昔の人は食べていたんですね。

でも、今は始末しようとして困っているとのこと。

「野菜市にでていましたよ。出荷してはどうですか」

と言っておきました。

「こんな物が売れますか」

と興味を持たれたようでしたので、

地元の農産物直売所で、探している人がいた事も伝えておきました。

これでまた一つ環境が守られる材料となればいいですが・・・。

「まあ、お茶でも飲んで話していってください」

とのお言葉に甘えて自宅に伺うと、奥様がこんなご馳走をして待っていてくださいました。

一見すると、かき餅かと思うほどです。

えらくふわっとした、おいしそうなかき餅と勘違いしました。


自然薯を蒸してつぶし、むかごを入れたものだとの説明を受け感動!!

すごい、田舎の人って自宅で栽培し、収穫した野菜で
なんとじょうずにお料理するのでしょう・・・・

味付けが「塩、砂糖、味の素」だそうで、味付け素材にはチョッと残念な思いがしました。

味付けだけアレンジして、わたしも挑戦してみようと思いました。

こんな材料で作ったもの、まさに料亭のお料理ですよね。

そして、たくあん漬けとふきの味噌漬け。

ふきは、春塩漬けしておいたものを、
塩抜き(塩出し)して、味噌に漬けたものだそうです。

おいしいお漬物たちでした。

つぎは、里芋のぬたです。

里芋を茹で、味噌とねぎを山椒のすりごぎ棒ですり合わせ混ぜたもの。

自然の味で、ほんとうにおいしくできていました。

奥様は薄味がお好きだそうですが、ご主人がお砂糖が入っていないとおいしくないとおっしゃるそうです。

失礼ながら、もっと自然の味付けをしてみてはいかがでしょうかと、お話しました。

奥様は、興味を持ってくださいましたが、実践してくださるといいですね。
いつもながら、感謝の素敵な出会いでした。

素敵な出会いからちょうど13年・・・

2009年の4月6日に、すりこぎ棒作りの名人宅を訪れたときの様子でした。

あれから、13年・・・

現在のすりこぎ棒です。

少し曲がっていて使いにくいだろうと、奥出雲食房の商品にできず、わたしが使う事にしたものです。

まさに相棒として、わたしの田舎料理には欠かせないものです。

本物は、やっぱり一生ものなのでしょう。

そもそも山椒の木がすりこぎ棒の材料になるには、訳があります。

山椒の木には解毒作用があること、山椒に含まれるサンショオールという辛み成分には、胃を丈夫にし、さらに整腸作用もあること。

そして、その木はとても硬くて磨耗しにくいことなどです。

使用後の手入れには少し気を使っています。

たわしなどで水洗い(洗剤は木に染込むので使用しない)してから、風通しの良い所で、できれば吊るして乾燥させます。

わたしの場合、2段になっている食器かごの上の段にしばらく置いて乾燥させています。

電子レンジでの乾燥はしないでください。

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自分の身体は食べた物でできています。

また、食べた物でできていきます。

食材だけでなく、口に入る可能性のあるお料理器具にも気を使うべきということを、このすりこぎ棒から教わります。

これからもこのすりこ木棒は、わたしの田舎料理の相棒として付き合ってくれそうです。

大切にしていきたいと思います。

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